武田 麟太郎「蔓延する東京 都市底辺作品集」
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武田 麟太郎「蔓延する東京 都市底辺作品集」

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高見順 「私に文学的開眼を与えてくれた人」 織田作之助 「血縁を感じている」「文壇でもっとも私に近しい人」 三島由紀夫 「武田麟太郎の作品を今読んで感心するのは、その文章の立派なことだ。目の詰んだ、しかも四方八方に目配りのきいた、ギュッと締って苦味のある、実に簡潔でしかも放胆ないい文章」 *  関東大震災からの復興をとげた、1930年代の東京。都心から周縁部へと蔓延してゆく不良住宅、工場街、そして貧困。戦争に突入する《非常時》にあって帝都の底辺をアクチュアルに描き出し、ファシズムと対峙した小説家、武田麟太郎の都市文学を集成する。 これはメガイベントで再開発が進む、日本の首都の未来図なのか? ◎発表時に削除され、これまで幻とされていた『文藝春秋』版「暴力」を初収録。 [目次] 兇器 暴力(初出『文藝春秋』版) 色彩  場末の童謡 浅草・余りに浅草的な 託児所風景  新宿裏旭町界隈 上野ステーション  隅田川附近 日本三文オペラ  蔓延する東京――食ふ物語/遊ぶ物語(単行本初収録) *写真=堀野正雄 一の酉  私の「大学生」  一時代の思出(単行本初収録) 東にはいつも何かある  *挿画=木村荘八 大凶の籤  好きな場所   作品解説にかえて [版元から一言] 本書は、1930年代の日本で最も重要な位置を占めた小説家、武田麟太郎の数ある作品のなかから、東京の底辺下層社会を描いた作品を中心に集めた1巻本選集です。「明治」時代の松原岩五郎『最暗黒の東京』、横山源之助『日本の下層社会』などに連続するといえるルポルタージュなど、17篇を収録しています。 震災から復興し、「昭和」に改元して世界第2位の人口を誇る巨大都市となり、モダニズムが謳歌される《大東京》では、その周縁地域でますます貧困が進行し、やがて戦争へと突入します。これを過ぎ去った一時期のエピソードととるか、はたして未来の姿と読むかは、読者の自由です。メガスポーツイベントのためにジェントリフィケーションが進行する《帝都》の現在と重ね合わせつつ、ぜひご一読ください。 小社から復刊した高見順『いやな感じ』の読者にも、きっと楽しんでいただけるはずです。 仕様:A5変型判/並製/400ページ 発刊:2021年1月 発行:共和国 [プロフィール] 武田 麟太郎 (タケダ リンタロウ) 1904年、大阪市に生まれる。 第三高等学校卒業、東京帝国大学文学部退学。 同人誌『真昼』を経て、1929年、「兇器」でデビュー。 プロレタリア文学者として活躍するが、やがて「市井事もの」と呼ばれる作風に活路を見いだす。36年、雑誌『人民文庫』を創刊し、反ファシズム文化戦線の後退戦を担う。41年、報道班員としてジャワ島に従軍。敗戦直後の46年、藤沢市に没する。 主な小説集に、『暴力』『反逆の呂律』『釜ヶ崎』『銀座八丁』『下界の眺め』『市井事』『大凶の籤』『雪の話』など多数。エッセイ集に『好色の戒め』『世間ばなし』『市井談義』がある。